
高齢事業
食を通じて人を笑顔にしたい。
入職前から変わらない熱い想いを持って。
デイサービスセンターいくとくⅡ
北林佑樹
育徳園に入ったきっかけは?
私が育徳園に入職したきっかけは、高校時代の友人の言葉でした。その友人はとある特別養護老人ホームの介護士をしていて、新人スタッフの食事の提供の仕方に怒っていたのです。特養って、体調次第でいつ人生最後の食事になるか分からないご利用者の方が多い施設ですが、そんな中で友人は、新人スタッフがお茶碗とお味噌汁の位置を逆にしていたり、箸置きの位置を間違えて適当な感じで配膳をしていたらしく。それに対し注意しても平気な顔をしているのが許せなかったと聞いて、そういったエピソードや「人生最後の食事になるかもしれない」という言葉に衝撃を受け、食事の大切さについて深く考えるようになりました。私が通っていた調理師専門学校ではそんなことって教わらなかったんですね。美味しいものを作って提供して、お金をいただくという流れは学んだのですが、「人生で最後の食事」といった角度から料理のことを考えたことがなかったので、とても印象に残る言葉でした。
その後、転職を考えたタイミングで、専門学校時代の先生の紹介を通じて育徳園に入職しました。



働き出してからはどうでしたか?
入職して最初に驚いたのは、刻み食やミキサー食といった食事形態でした。旅館での調理経験はありましたが、ここでは単に美味しい食事を作るだけではなく、高齢者の方が安全に、かつ楽しんで食べられる工夫が求められます。特に「人生最後の食事になる可能性がある」と考えた時、その重要性を改めて実感しました。それ以来、食事の見た目や味にもこだわりながら、利用者様が少しでも楽しく食事を取れるような工夫を続けています。


日々の業務について教えてください
朝は、業者さんとのやり取りや職員の人数確認から一日が始まります。ご利用者様の好き嫌いやアレルギーをチェックしながら、調理、盛り付け、提供まで行います。午後には翌日の仕込みを進め、16時前後には業務が落ち着きます。食事は日々の大きな楽しみの一つであり、ご利用者様に満足していただけるよう、一品一品に気を配っています。また、月3回のイベント食や参加型のおやつイベントなど、楽しみのある食事の提供にも力を入れています。
育徳園では、施設で働いている職員の皆さんにもお食事を提供しています。職員の方からも食事費用を頂いているので、ご利用者様と同じように職員それぞれの好き嫌いやアレルギーを聞いて、お客様として食事提供をしています。
仕事をする上で大切にしていることは?
私は、どんな食事形態であっても「美味しそう」「食べたい」と思ってもらえる工夫を大切にしています。例えば、刻み食やミキサー食でも見た目を綺麗に整えたり、味のバリエーションを持たせたりすることを意識しています。また、施設の団欒の場が見えるカウンターキッチンという環境を活かし、ご利用者様と直接コミュニケーションを取れることも大きな魅力です。
食事の時間をより楽しい時間に感じてもらえるよう、行事やイベント時には私たち調理師がご利用者様の前に立って綿菓子を作ったり、射的の遊びを用意して当たったら景品をお渡しするというような工夫もしています。


北林さんにとって「福祉のど真ん中」とは?
私が考える「福祉のど真ん中」とは、食べることを通じて人を笑顔にすることです。食事は栄養補給だけでなく、生活の質を高める大切な要素です。イベント食などを通じて「今日は何が出るんだろう?」とワクワクしてもらえたり、「美味しかった」と喜んでいただけたりすることが、私にとっての福祉の本質だと感じています。これからも、ご利用者様一人一人に寄り添った食事作りを続けていきたいと思います。
