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マゼルバ

【はやちゃんのぼちぼちいこか】令和7年9月号

『 夏祭りの母子 』
暦の上では秋しかし今だ盛夏、クーラーは今日も朝から晩までフル稼働、皆さんご機嫌いかがですか。

 先月、地域の夏祭りに参加しました。当日は曇りがちのうえ風も吹き、そこはかとなく涼も感じられました。夕方4時から「千本引き」を開店、人手は去年より一段と多い様です。ちょっと多過ぎたかなと思いつつも、菓子袋を600個用意しました。ところが開始早々列は途切れず2時間半ほどで完売、怒涛のひと時でした。

その間子どもたちは、長蛇の列にもかかわらずちゃんと並び、自分の順番が来れば真剣な表情でひもを引いていきます。お気に入りのお菓子が手に入いれば、ニッコリ笑顔です。時間にすればほんのわずかですが、中にはなかなか決められず親にせかされる子もいます。待っている人は多いので親も気を使います。この時ちょっと気になる母子と出会いました。そのお母さんは、気遣いのあまりか「早くしなさい、早く決めなさい」と我が子に矢の催促、揚げ句の果て子どもは癇癪を起しあばれてしまったのです。思わず「お母さん、そこまで言わなくても」とつぶやきました。お母さんの気持ちも理解できるのですが、子どもは子どもでようやく順番がきて、自分も納得のお菓子を引きたかったはずです。どうもその子は待っていた時からウロウロし、お母さんもピリピリしていたようです。近年、子どものあらゆる問題行動(多動、短気、場を読めない、話が聞けない等々)に、名前と説明が付きます。それは変貌する時代の中で、どのように子どもを理解すればよいのか、という親の悩みに応えた結果です。昭和なら一言で、性格かしつけかの問題で片付けられていたでしょう。



そもそも子どもの気になる行動は、今に始まったわけではありません。どの時代どの場所においても存在しました。しかしそれに対する理解が違ったのです。日本では古来より、何を置いても人間関係が土台となっていました。しかしそれが今揺らいでいます。

あの母子は、普段どんな親子関係だったのでしょう。いつもは穏やかなのに、その日に限って違ったのでしょうか。問題行動の解消には親子関係をはじめ、夫婦関係、家族関係、時には親自身の親子関係等も含め、考える必要があると思います。大人に依存しなければ生きていけない子どもは、出来るだけ大人の想いに応えようとします。それ故子どもが、親の想いに反する行動をする時は、大人と子どもの想いが大きくズレているのだと考えられます。誰しも生まれながらの特性があり、それが子どもの問題行動の原因となる時もあるでしょう。しかしそれでもなお安定した人間関係が存在すれば、大きな問題には繋がらないように思うのです。ところが一方そんな関係を、今はなかなか築けない時代でもあります。いずれにせよあのお母さんに、安定した人間関係があったなら、あの場面と出会わなったでしょう。  

皆さんはこの夏、我が子と楽しい夏祭りを過ごせましたか?  

                                早川友教
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