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マゼルバ

【はやちゃんのぼちぼちいこか】  令和7年5月号

『 高学年女子 』 

 

新年度が始まり1ヶ月が経ちました。新しい生活にも慣れてきましたか。万博も始まりましたがネットは、何かとかまびすしいです。否定的な意見も少なくありませんが、意外に日本の未来を担う学生たちには好評で、なかなか良い刺激となっているようです。それだけでも開催した意義があるように思います。前回の大阪万博には中学の遠足でも行きましたが、交通機関やパビリオンも、生まれて初めて体験する長蛇の列でした。人気の日本館や、アポロが持ち帰った月の石が目玉のアメリカ館などは、最大では4~5時間(それ以上?)待ちでした。さすがに並ばないを謳う今回は、それはなさそうですが。 

 

さて今日は小学生の話です。昨年より学童の子どもたちと、それまで以上に関わるようになりました。すると今まで気付かなかった小学生の想いに、触れる機会が増えてきました。この時期、女の子は男の子に比べ、心身の成長の早い事は良く知られています。 

新学期が始まり2週間ほど経ったある日のこと、一人の高学年女子が話しかけてきました。3年生までとは良く関わっているのですが、彼女とはそれまであまり接点はなかったのです。ちょっと意外でしたが、いい機会だと共通の話題に弟妹の話を始めました。「家では下の子とけんかとかするん?」「めっちゃする」「そうなんや」「だけど腹立つねん、いつもわたしが怒られるねん」「まあ姉ちゃんやから、しゃあないのかな」「だけどいつもやねんで、わたし悪ないのに」「そうか」「お母さんもお父さんも、長男長女と違うから長女のわたしのこと分からへんねん」と話すと、誘いに来た友だちと又遊び始めました。 

聞き流せば単なる姉の愚痴かもしれません。しかし改めて考えると、彼女が論理的に物事を理解している事に驚きました。ただむしゃくしゃして腹を立てているのではなく、自分と両親の家族構成を比較しながら、そこに原因を探り自分の現状を把握しようとしているのです。低学年の子どもと話す機会は多いのですが、まだここまでの洞察力はなかなか見られません。さすが高学年女子と感心しました。お母さんの弟妹への関りを見ていても、子どもの想いをしっかり受け止めていると思います。おそらく姉の気持ちも、理解しているに違いありません。それでも彼女は弟妹げんかをする度に、一抹の割り切れなさを感じているのです。ただ親子の観点に相違がありそうな場合は、やはり両者の話しを聞く必要はあるでしょう。親には親の想いや考えもあるのですから。とは言っても、高学年女子としての姉の冷静さと切実さが、垣間見られたように思いました。 

 

高学年ともなれば良くも悪くも、批判的な視点で物事を見る様になります。それは同時に、人間関係の在り方も変わる頃です。親も甘えていた我が子が口答えするようになれば、幼かったあの頃を懐かしく思うでしょう。しかし親が「もう!」と思う批判的な視点は、論理的思考への入口でもあります。ただ感情に左右されるだけではなく、相手の立場も意識的に理解しようとする第一歩なのです。そういう意味では、口答えは成長の証とも言えるでしょう。口答えを始めたら、お母さん お父さん大いに喜んで下さい。

多分難しいでしょうが…                    早川友教

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