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マゼルバ

【はやちゃんのぼちぼちいこか】令和8年2月号

 『 日本の日常が世界を創る? 』  
今年の冬は、春の陽気かと思えば数年に一度の寒波と体にこたえます。皆さんはいかがお過ごしですか。

昨年の訪日観光客が4000万人を突破しました。その増加ぶりには驚くしかありません。ネットでも日本の印象深い思い出が、数多く語られています。ところがその多くが有名観光地などではなく、私たちが意識することのない普通の日常風景なのです。

 かつて日本はアメリカにつぐ世界第2位の経済大国でした。それが今では中国、ドイツそしてインドにも抜かれようとしています。日本経済の弱体化を憂う声も聞こえます。が、そもそも経済の本質とは人間の欲望です。欲しいものを手に入れても又一つ、さらにもう一つとその欲は尽きません。少子化のうねりの中、今を生きる私たちは、どんな世界を子どもたちに伝えていこうとしているのでしょうか。それを考えるヒントが、日本にあるように思うのです。決してバラ色だけではありませんが、他国の人たちがうらやむ日本社会、私たちにとっては当たり前の日常が、新たな世界を創るのかもしれません。

西洋はキリスト教を土台とする一神教社会です。この日本人になじみのない一神教社会では、神を信じぬ者は人間ではありませんでした。神は社会の絶対的ルールであり、人間関係一つにしても神なしには成立しません。ところが近代以前は機能していた西洋社会も、産業革命を機に神の信仰が揺らぎ始めました。こうして欧米社会は、現在の悩める世界へ変貌していったのです。ところが日本は、森羅万象あらゆるものに八百万の神が鎮座しています。神は生活の一部であり絶対的存在ではありません。それが人と人とが直接結びつく人間関係社会を成立させました。人間関係は、決して安定的なものではありません。だから人、時代、場所等々の関係性により、社会は大きく変化していきました。この柔軟性が時代を乗り越え、現在でもそれなりに安定した社会が、維持されている理由だと考えられるのです。

西洋人と日本人には遺伝的にも違いがあります。日本人はよく勤勉、真面目、努力、協調性等の言葉で語られます。実はこれらの特徴は、火山や地震、津波等の巨大災害によって作られたそうです。又天災は、日本人特有の友や仲間を作るDNAの進化にも影響しました。これには、日本人のある特質が深く関わっています。それが不安です。日本人の80%が不安を感じやすいのです。不安は危機感の現れでもあり、自然災害の多い日本では不安を感じることが、身を守る事にも繋がりました。とは言っても、不安ばかり感じていては、心身は疲弊してしまうでしょう。そこで多くの友や仲間を得、お互いに助け合う事によって不安を乗り越えたのです。こうして現在の海外から称賛を浴びる日本社会が作られました。

今西洋世界は、神なき社会を模索中のように見えます。今後もさらに日本を訪れる欧米人が増えれば、日本の人間関係社会が、西洋に実現するかもしれません。それが叶わなくとも、果てしない欲望を追う世界ではない事を願っています。そしてそれは、日本にも当てはまるのではないでしょうか。           早川友教
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