REPORT
活動報告
2026.03.04
マゼルバ
【はやちゃんのぼちぼちいこか】令和8年3月号
『 されど空の青さを知る 』
三月の和名を弥生(やよい)のほか、桜月などとも呼びます。年長さんは間もなく卒園を迎えます。楽しかった思い出を胸に、新しい世界を悠々と歩いていってください。
さて落語などではお馴染みですが、昔は何か困り事でもあれば、ご隠居や和尚さんに知恵を借りたものです。それが今ではAIにとって代わりました。宿題や勉強は言うに及ばず、仕事、人生、恋愛、健康、趣味さらには政治、経済、産業等、あらゆる悩み事の相談、問題解決にAIが使われています。しかし一方この様な現状を見ると、一抹の不安を感じます。果たして子どもたちの未来にとって、科学の発達はどこまで必要なのでしょうか。
サルから人へ進化し始めたのが約6~700万年前、長い変遷を越え約30万年前、我々の直系の祖先であるホモ・サピエンスが、アフリカで誕生しました。数十万年に渡る狩猟採集生活を経て、農耕が始まったのが1万数千年前、産業革命が18世紀に起こり、AIが日常生活に入ってきたのがここ10年ほどです。こうやって見ると文明の発達は、正に驚異的と言えます。農耕が始まりわずか1万年ほどで、宇宙空間まで到達したのです。ただこのスピードに、人類は全く追い付いていない様に見えます。言うなら私たちは、石器時代の頭でAIの時代を生きているのです。今世紀半ばにはAIの認知能力は、確実に人間を上回ると言われます。その時我々は、どんな世界を生きているのでしょう。
私が子どもの頃、日本は先進国に追い付け追い越せと、高度経済成長の道を突き進んでいました。良い成績を取り良い学校に入り良い会社で定年まで働く、極端ですがそれが人生の目標でした。今とは違い同期は多く、当然の事ながら競争は厳しかったのです。だから成績が良くても、上には上がある気を抜くなと言われました。正に「井の中の蛙大海を知らず」を実践していたのです。現代の我々は、AIという大海を知っています。そういう意味では、井の中の蛙ではないかもしれません。しかし「井の中の蛙大海を知らず」の後には、あまり知られていないのですが、次のような句が続きます。それが「されど空の青さを知る」です。井の中の蛙は大海の存在は知りませんでしたが、空の青さは知っていました。フト空を見上げた時の空の色、そして移ろう空の模様を蛙は知っていたのです。蛙の世界は限られていましたが、一つを深く感じていました。今世紀はAIの時代です。AIとどうつきあうのかのヒントが、この「空の青さを知る」ことのように思います。広範な知識はそれなりの説明となり、分かった気がするかもしれません。しかしそれでは表面を撫でただけです。一つをもっと深く理解する事が大切でしょう。AIは人智を超える知識等を提供してくれます。しかしそれをどのように理解するのか、それを考えていく事がこれからの課題だと思います。
卒園していく子どもたちが大人になっても、穏やかに過ごせる世の中であることを願っています。その為にも、空の青さを知ってほしいのです。卒園おめでとう。 早川友教
さて落語などではお馴染みですが、昔は何か困り事でもあれば、ご隠居や和尚さんに知恵を借りたものです。それが今ではAIにとって代わりました。宿題や勉強は言うに及ばず、仕事、人生、恋愛、健康、趣味さらには政治、経済、産業等、あらゆる悩み事の相談、問題解決にAIが使われています。しかし一方この様な現状を見ると、一抹の不安を感じます。果たして子どもたちの未来にとって、科学の発達はどこまで必要なのでしょうか。
サルから人へ進化し始めたのが約6~700万年前、長い変遷を越え約30万年前、我々の直系の祖先であるホモ・サピエンスが、アフリカで誕生しました。数十万年に渡る狩猟採集生活を経て、農耕が始まったのが1万数千年前、産業革命が18世紀に起こり、AIが日常生活に入ってきたのがここ10年ほどです。こうやって見ると文明の発達は、正に驚異的と言えます。農耕が始まりわずか1万年ほどで、宇宙空間まで到達したのです。ただこのスピードに、人類は全く追い付いていない様に見えます。言うなら私たちは、石器時代の頭でAIの時代を生きているのです。今世紀半ばにはAIの認知能力は、確実に人間を上回ると言われます。その時我々は、どんな世界を生きているのでしょう。
私が子どもの頃、日本は先進国に追い付け追い越せと、高度経済成長の道を突き進んでいました。良い成績を取り良い学校に入り良い会社で定年まで働く、極端ですがそれが人生の目標でした。今とは違い同期は多く、当然の事ながら競争は厳しかったのです。だから成績が良くても、上には上がある気を抜くなと言われました。正に「井の中の蛙大海を知らず」を実践していたのです。現代の我々は、AIという大海を知っています。そういう意味では、井の中の蛙ではないかもしれません。しかし「井の中の蛙大海を知らず」の後には、あまり知られていないのですが、次のような句が続きます。それが「されど空の青さを知る」です。井の中の蛙は大海の存在は知りませんでしたが、空の青さは知っていました。フト空を見上げた時の空の色、そして移ろう空の模様を蛙は知っていたのです。蛙の世界は限られていましたが、一つを深く感じていました。今世紀はAIの時代です。AIとどうつきあうのかのヒントが、この「空の青さを知る」ことのように思います。広範な知識はそれなりの説明となり、分かった気がするかもしれません。しかしそれでは表面を撫でただけです。一つをもっと深く理解する事が大切でしょう。AIは人智を超える知識等を提供してくれます。しかしそれをどのように理解するのか、それを考えていく事がこれからの課題だと思います。
卒園していく子どもたちが大人になっても、穏やかに過ごせる世の中であることを願っています。その為にも、空の青さを知ってほしいのです。卒園おめでとう。 早川友教